郷ひろみか?ワシは。 [おもひで]
そろそろ更新ネタの厳しい時期です。
恐れながら今日も昔の彼女の話です。
4月毎日更新の為にあと2回・・・
歳は3つ下だった。
私が女性の相手を呼ぶ時は「ねぇ」とか「ちょっと」とかで決して名前で呼ばない。
今回の彼女に対しては「おまえ」。
こういう呼び方をした女性は未だかつてこの人だけ。
逆に私を呼ぶ時も「〇〇(名を呼び捨て)」と呼ばれた。
全然、嫌じゃなくむしろ自然にさえ感じる。
性格は開けっぴろげで爛漫。
太陽が人間になったような人だった。
当時、既にお互いの実家に行くという状態であったにも関わらず、お互いをどう思っているとか
の話はしていなかった。
それこそ「友達以上・恋人未満」という状態。
一線は超えていなかったが、それを超えた絆のような見えない半透明の赤い糸で結ばれてい
たかに見えた。
ある日、デートの約束をした。
広島駅、正面に10時。
嬉しくて前の晩に前後不覚になるまで飲んだ。
翌朝、電話が掛かってきた。
「今、11時よ!あんた!どーしょーん!」
結局、彼女は呉の私の家の近くまでやって来た。
こりゃ、メッチャ怒られる・・・
でも、会ってみると意外とシレッとしていた。
逆に あんたがそんなにヘコむ事はない!過ぎた事は仕方が無いと言われた。
この人、マジで全然、怒ってなんかねぇ。
惚れた。
ある日、手紙を書いた。
所謂、ラブレターだ。
内容は「煙草を止めてくれるなら付き合って下さい。」
彼女は喫煙者だった。
当時の私は女性が喫煙する事にはどうしても容認する事が出来なかった。(今でもだが)
結果、フラれた。
返事はこうだ。
「あなたの事は好きだけど、煙草を止める事は出来ません。」
「生まれ変わったら一緒になろうね」
なんだなんだ? お前は松田聖子でワシは郷ひろみか?
彼女の中では 「オレ<煙草」 の明快な図式。
あんな枯葉を紙で巻いたものにさえ勝てない。
情けなぁ・・・。
返事を書いた。
「オレはおまえを完全に忘れる。」
「たとえ来世があろうともおまえの事は一つも覚えておかねぇ。」
後輩を連れて酒をしこたま飲んだ。
数週間で楽になった。
ちょっと人生観が変わった。
6年後、まったく思いもしなかった場所で偶然に彼女に出会った。
「〇〇くん!〇〇くんでしょ?」と声をかけられた。
「いや、違うよ」
足早にその場を去った。
この対処に間違いは無い。
人に求める価値観の差異の許容量って難しい。
お互いが同じCDアルバムを買って送り合った。
まだ、どこかにあるはずだが探さねぇ。