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2012 豊富温泉湯治終了(冬) +7日 [豊富温泉湯治 2012 冬(1回目)]

 豊富温泉の湯治が終わって一週間が経ちました。
 豊富温泉で湯治をしたい人が最も気になるのは湯治終了後に肌の状態が元に戻ってしまわないか?という
 事だろうと思います。
 私の場合を嘘偽り無く書いておきます。

 やはり、湯治終了時点より日々肌の炎症は悪化します。
 湯治前の状態を0、湯治後の良くなった状態を100とした場合、今の状態は75です。
 幸運にも入浴後は何も塗らなくても良い状態は維持できていますが、湯治後のようなスッキリ感は減少して
 おり若干の炎症感があります。
 特にそれを感じるのは顔・首周り・腕・脚です。
 悪化から完全に立ち直ってツルツル状態を維持出来ているのは、頭部、手の甲、背中上・臀部・足の甲です。
 今後は「下げ止まり」を見極めていく事になります。
 幸運にも私は春夏快方タイプなので改善が見込まれます。



 ここで、パックツアー初日に配布された「効果的な入浴のしかた」 豊富温泉湯治ガイドブック ダイジェスト
 版(2008年9月編纂)
と私の湯治記録と感想を照らし合わせて考えてみます。

 アトピー患者の平均湯治日数は平均十七日であり、湯治期間は一般的に三週間が適切といわれています。
 私は12泊13日湯治でした。確かにあと一週間あれば尚の事、改善が見込まれたと思います。
 パックツアーを使って4泊5日で湯治に来られていた方を多数見ましたが求めている結果が出ていない印象
 がありました。


 一日の平均湯治回数は三回、浴場にいる時間は一時間~二時間が多く、浴槽への入浴そのものは十分
 ~二十分を繰り返しています。

 私は1回の入湯時間は平均1時間であり最短では30分、最長2時間10分もとった事があります。
 1日に2~4回の入湯をしました。
 入浴方法は基本的に半身浴がメインで発汗の促進で肌の状態が改善した気がします。
 たまに洗面器で頭から温泉の湯をザバザバかけたり、温泉水を浸したタオルを頭に乗せたり、肩まで浸か
 ったり、足湯にしたりして体力と相談しながら常に温泉が身体に影響を与える環境にしました。
 入湯時間が長ければ長い程に良くなるか?といえばそうでもないと思うので、どれ位の入湯時間が良いの
 かは個人の体力や気力に関係していますから自分の回復能力を推し量って決めて下さい。
 無理をすると感染症を引き起こしますので注意!

 改善が自覚できるのは早い方で二日ぐらいから、遅い方では十日ぐらいから認められます。
 私の場合は好転反応はよく言われている湯治4・5日後におきました。
 その後は若干の停滞期経てドンドンと快方に向かっていきました。
 
 湯治後の経過
 一週間後に悪化現象がおき、数日後にまた良くなって安定期間に入るという報告が寄せられています。
 先に述べた通り、只今一週間経っています。
 経過観察中で今後の経過は又記事にします。

 

 改善効果に持続性
 軽快の状態を長期に保つ方が多いようです。
 再発してリピーターで再び何度も来る方も多いですが、数年後に来なくなる例が多いです。

 職場復帰する方も多く、完治までいかなくてもコントロールできる状態を維持しているようです。
 この記述通りになる事を期待しています。(^_^;)


 
 この記事だけ見た人でも分かるように まとめとして豊富温泉に湯治した事で身体と心にどういう変化が起き
 たか綴っておきます。


 最初は温泉に入るだけでアトピーの症状が鎮静化するとは全く信じていませんでした。
 しかし、心身共に閉塞感に苛まれ藁をも掴む思いで温泉治療に行く事にしました。
 1月30日に4泊5日パックツアーの2月14日スタート・2月22日スタートと繋ぎの宿の予約、広島~羽田間
 の飛行機の手配と全ての支払いをネットと電話で全て終わらせました。
 身体が痛くて動けない状況で布団に寝ていてもネットで全ての手続きが出来るのがIT社会の恩恵です。
 出発までの半月はひたすら我慢の日でした。
 スタート日までに風邪をひかないように身体の状態を保つ事を特に注意しました。
 又、豊富温泉の現地の情報や飛行機の乗り方(初めてだったので)を事前に調べておく事で気を紛らわして
 時間を潰しました。
 気が張っていたのか出発までの半月で少しだけ症状が軽減していたように思います。

 豊富温泉到着~湯治開始
 初回の湯治はホテル到着時間が14時くらいだったので「ふれあいセンター」で約1時間の入湯を一回だけ行
 ったのですが、入湯時に首の後ろの皮がゴソっと取れてツルツルの肌が現れて肘の裏もツルッとした皮膚
 になりました。
 痒みも軽減されていましたが翌朝の落屑はまあまあの量がありました。
 この時点で「この温泉は効果があるかも?」と思いました。
 胸・腹・背面は湯治初日以降から一度も悪化する事なく日に日に改善して行く事になります。
 落屑は3日目の朝から劇的に減っていきました。
 3日目に結果として徒歩で往復16Kmの行程になった「トナカイ牧場」に歩いて行った時は身体的には内股が
 多数切れていて本当は歩行困難な状態だったのですが、少しだけウォーキングをしようとホテルの外に出る
 と天気も上々で精神的に良い状態だった事もあって結果として遠足なみの距離を歩く事になりました。
 全面の雪景色と晴天に恵まれ心が解放されるような気がしたのです。
 正直、この日はホテルに帰ってから内股が痛くて痛くて仕方なかったのですが、それと引き替えにしても精神
 的な部分が作用してか温泉効果以外にも皮膚の状態は全体としてゆっくりと快方に向かって行ったように思い
 ます。
 多くの人がそうであるように私も湯治開始から4・5日で好転現象という悪化方向に一旦は向かいました。
 そういう時にコンシェルジュデスクの存在は大きいのです。
 「身体がこういう事になっています」と相談したら、「経験上、今後は良くなる方向に向かいます」と言われたの
 で納得、安心する事が出来ました。
 確かにこの日を境に身体は快方に向かう事になりました。
 湯治開始から5日後の2月18日にホテル豊富から川島旅館に移動しました。
 川島旅館での湯治は最初はふれあいセンターの湯治湯に行っていましたが川島旅館逗留中の中盤~後半
 にかけてはびっちりと川島旅館の温泉に入湯していました。
 オフシーズンという事もあり、川島旅館の浴場は人が少なくて自分の好きな体勢で長時間入湯が出来ました。
 この湯治中盤の過ごし方が身体にはテキメン効いたのです。
 又、この時に同じタイミングで宿泊していたN君と腹を割って今まで経験してきた事や身体の事などを入湯中
 に語り合った事で心が軽くなったようです。
 が、9日目に改善の行き詰まりを再び感じる事になりました。
 「豊富温泉の湯治での回復はこれが限界か?」と思っていたのですが、10日目以降に再び身体は快方に向
 かって行く事になりました。
 12泊13日の湯治生活の最終日にあってもここに逗留すれば今後もどんどんと快方に向かうであろう事が予
 想出来ました。
 手足の曲げ伸ばしや振り向く動作などの普通の人が普通に出来る事が出来るようになったありがたさ。
 健康というのは何とありがたい事だろう。と切に思いました。
 ここで湯治中の若者が「人生で稼いだ金の大半はアトピーの為に使った」と言っていたのを聞いて切なくなっ
 たの事があります。
 ここに来ている皆が因果な体質に生まれた事を呪うのですが、前向きに考えるよりほかありません。
 アトピーはおそらくDNAレベルで設計された疾患で「根治」などはありえないので「寛解」を目指すしかないの
 でしょう。
 実際、寛解時は普通の人ですから。
 この疾患は精神的な面が作用する事が大きく物事の捕らえ方を改善する事である程度の症状の抑制が可
 能です。
 症状の悪化にはストレスがもっとも大きな原因となるのですが、それを受け流す考え方を身につけるのが最
 良の「薬」だと考えます。
 湯治中にスノーシューで山を散策したのも別天地で精神を解き放つという効果を狙っての事でした。
 私には入浴による湯治だけよりも湯治時間と引替えにしてでも「運動や観光」をする事で心身ともに刺激を
 与え更なる症状の改善を狙った湯治を行いました。
 とにかく、常に「何か新しいものを!楽しい何かを!」を求める姿勢は症状の辛さを忘れさせるには最高の
 良薬です。
 症状の酷い時は太陽の光なんか大嫌いで、外出する事もままなりません。
 しかし、無理にでも外に出る(最初は夜間でもOK)事で精神状態を上向きにするのが私の経験上は良いと考
 えます。
 人付き合いの苦手な人は無理に誰とも話をしなくてもOKです。
 とにかく湯治中はストレスフリーな生活をしましょう。
 でも、なるべく色んな人を話をした方が楽しいのは間違いないです。
 湯治中に気にしなければならないのは体力の低下を防ぐ事です。
 思っているよりカロリーを消費するのでガンガンと飯を食べるようにしました。
 湯治中は毎日あれだけ食べて、あれだけ水分補給をしても湯治前より体重が減少しました。(56Kg→54.5Kg)
 体力が無いと感染症にかかりやすくなるので気をつけましょう。
 又、入湯中は水分補給はマメに行いましょう。
 私の行った実験では入浴1時間で約1リットルの水分が失われますので、浴場の水道水を飲んで水分補給
 しましょう。(北海道の水道水はウマいです)
 余談ですが、ブログで毎日更新をした記事でもわかるように冬季に湯治に来ている人でこんなに行動力の
 ある人は初めて見たと言われました。(笑)
 楽しいことは積極的に関わるようにした方が身体にも良い影響を与えます。
 湯治中でラッキーだったのは「雪あかり」というイベントが3日間にわたって開催され、この湯治生活で一番
 興奮したのは自らの手でポニーのソリを操った事。

 豊富温泉の湯治は最終的な手段で最も有効な方法だとは思いますが、これに依存しきってしまうとそれは
 それで問題(精神的依存性・金銭的問題他)が発生します。
 何モノにも依存しない健康的な生活をする事が私の最終的な目標です。


 最後に

 アトピーを寛解させるのは温泉でも医師でも宗教でもありません。
 自分です。
 温泉も医師も良くなる「手助け」をしてくれるだけです。
 これまでの人生で自分に対して「生物実験」をしてきて「何をすれば良くなるし悪くなるのか?」は自分が一番
 知っているはずです
 自身を飛行機に例えるとこの温泉は「助走」として最高の手助けである事は明確ですので、飛び立った後に
 いかに高い高度を維持出来るか?を模索していく事になるでしょう。
 パンドラの箱は開けると様々な厄災が噴出して最後に出てきたのが希望でした。
 豊富温泉は私にとってのまさにパンドラの箱でした。
 あの状態の身体が治るというのはまさに奇跡でした。
 治癒の最後の手段として豊富温泉は最後の希望であった事は間違いないのです。
 又、どんなに酷い状態になっていても条件さえ整えば身体はどんどんと普通の身体に戻れる事が分かった
 のが最も大きな収穫でした。

 何故に「豊富温泉が体を回復させるか?」を私なりに考えてみました。
 ・転地による精神状態の改善
 生活場所が変わる事で精神的にリセットされて期待感・高揚感が生まれます。
 この疾患は精神状態が密接に肌の状態に関係しているので肌の状態の改善が見込まれます。
 広大な自然に囲まれた土地であり散歩などをする事で体力的にも良方向に作用します。

 ・コミュニケーションによるストレスの放出
 ふれあいセンターなどの湯治施設で見ず知らずの人と本音で話す事によって、抱えていた心の澱を放出す
 る事が出来ます。
 これによってストレスが軽減され肌の改善が見込まれます。

 ・温泉の効果
 この湯は油分が多く保湿効果が高いと思います。
 「バンドエイドキズパワーパッド」という商品がありますが、まさにこの温泉はそれの「湯版」でしょう。
 傷んだ皮膚を全体的にコーテイングして傷や乾燥した皮膚面の再生を促していると思われます。
 言ってみればスター・ウォーズでいうトコの天然の「バクタタンク」です。
 又、湯温が低温での長湯を行う事で発汗を促し、汗腺をこじ開けて通常の皮膚の発汗性能を回復させる効
 果があると思います。
 脈拍も110/BPM前後になる事から静止していても擬似運動をしている事になり体力の増強につながります。
 長時間にわたって内臓を加温するので内臓が活発に動き便秘や冷え性も改善します。

 アトピーが重症になると心が体を弱らせていき負のスパイラルに陥って生きる力が失われます。
 こういう状態にある時にはこの雄大な土地にあるこの温泉は非常に有効です。
 あらゆる意味でリセット効果が期待できます。

 変な話ですが、健康体に戻っているのを実感したのは湯治が終了した帰りの飛行機の羽田発広島行きの便
 で、手荷物を預けている時にフライトまであまり時間がなかったので焦ってたら汗がダラダラと滝のように流れ
 出てきた時です。
 湯治前はそんなに発汗する事なんて無かったので「あ!皮膚が回復している」ってビックリしたのです。
 今後は食事に注意(和食中心)して早寝早起き、運動、半身浴を中心とした発汗などを継続的に行う事にします。
 湯治を通じて自分と向き合う事が出来たのが最大の収穫でした。

 今後はどう体調が変化するか全く読めませんが、最終最後は豊富温泉があると思えば気も楽になるってもん
 でしょう。



 色んな人を見た上での回復する為のヒント

 大概の人は利き手の反対側が空いているので暇な時はもとより何かの作業中でも痒くもないのに「掻く」と
 いう癖がついており、この行為が皮膚の修復を遅らせる、若しくは悪化させる。
 私は11年前に脱ステで入院治療していた時には柔らかいボールを常に握っているようにして手が留守に
 ならないようにしていた。(ハンドグリップでの筋トレになって可)

 ここに湯治治療にくる人は会話をしていると重症であっても自分の事に無頓着な人が多い。
 例えば、血液検査での数値を知らなかったり数年もそれ自体を調べてないとか・・・。
 己を知るってのはこの疾患を抱えている人には重要だと思うし、前回の数値と比較する事は更に重要だと
 思うんですがねぇ。
 私が最近注目しているTARCの数値は殆ど誰も知らない事に驚いた。

 アトピー持ちなのに喫煙家が多いのにもビックリ。
 吸わなければイライラしてストレスが貯まりアトピーが悪化という大義名分(?)の元に結構な本数の煙草を
 吸っているひとの多いこと多いこと。
 まぁ、吸っている人は大人なので自己責任で体調管理をすればいいんですが 「百害あって一利なし」なのは
 間違いないわけで。
 でも、分かっちゃいるけど止められないってのがニコチンの魔力。
 強力な精神力が必要です。

 ルーズ
 何となくルーズな生活をしている人も多いようです。
 パックツアーのオプションツアーで皆が集まっているのに集合時刻より5分以上も遅れたり、毎朝部屋を(掃
 除してもらえるとはいえ)片付けないとか。
 私は集合なら5分前には集合場所に行くし、朝は布団を畳んだり身の回りの整理をしたりしてリセットしない
 と気持よくならないんです。
 何だったら部屋の掃除は自分で掃除機をかけたいくらいです。(毎日やっていた)
 物の置き場を決める・捨てる・戻すや洗濯物を畳んだりしてキチッと暮らすなど、この湯治中にメリハリをつけ
 る生活をして生活リズムを正しく修正して帰る事をオススメします。
 特に湯治後半で初めて知った「早起きして朝6時台に入る風呂の気持ちよさ」をお伝えしたいです。
 朝飯もウマいです。

 対人関係
 こういうトコロに来ると多くの老若男女の人と出会います。
 ツライ湯治生活を少しでも楽しく過ごすには色んな人とコミュニケーションをとる事が重要です。
 浴槽に入っている時間は誰とも話さないと修行のように辛く時間が経ちません。

 以上。

 こういう文章を書くと色々な事を省みる事が出来て良いです。
 この湯治で自分の事が良く理解出来ました。
 自分が思っているよりも行動力があって、几帳面だったのは驚き。
 特に学んだのは「人の振り見て我が振り直せ」という湯治だった気がします。(^_^;)
 



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