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ダメな孫 [雑文]


 知ってますか? この歌。


 ラジオで聞いた時に思わずジンワリと涙が出た。



 私の父方の祖父母は小学生低学年の時に亡くなった。
 母の父は母がちいさい時に亡くなった。
 私が一番長い間 接していたのが母方の祖母だ。
 その祖母は私が28歳の時に米寿で亡くなった。
 長く入院してはいたが、死病でも何でもないので「又、帰ってくるよね」くらいの考えだった
 が、ある日の朝 何の予兆もなくあっさりと逝ってしまった。
 聞けば病院で転倒したのが死因らしい。
 
 早くに亡くなった祖父のかわりに母達三姉妹を苦労して育てたのだという。
 おばあちゃんは私の実家の隣にある母の姉夫婦の家に同居していた。
 小さい時は学校から、大人になると会社から帰ってもいつも笑顔で迎えてくれた。
 怒った顔なんて見た事がないくらいに温厚なひとだった。
 子供の頃は戦争の話をしてくれた。
 「B-29は小学校の校庭くらいの大きさがあるんよ」
 そう言った おばあちゃんの言葉をこども心に「ウソツキだ!そんな大きなわけが無い!」と
 思っていた。
 でも、実はB-29はそれくらい大きい。
 素直に「ホンマなん!!そんなに大きいんね!」と言っておけばよかった。
 いつも飲ませてくれた甘い甘いコーヒー・手作りのコロッケ・正月につく餅・・・
 一番好きだったのは節句に食べるちまき。 
 あの葉を剥いてツヤツヤした甘い小ぶりな餅を食べるのが大好きだった。
 小さな身体で小学校中学年のオレを抱っこしてくれていた写真があったが、アレどこへ行っ
 たんだろう?
 
 入院していた時には「モク蔵ちゃんは来てくれんのかいねぇ?」と言っていたそうだ。
 私は仕事や遊びにかまけて 「どうせすぐ帰ってくるから」とたかをくくっていた。
 オレはバカだ。
 葬式の後、焼き場で小さな骨になったおばあちゃんを見て 死ぬほど後悔した。
 おばあちゃんにしてもらった事の百分の一もおばあちゃんにしてあげられなかった。
 あの世の存在なんて全く信じてはないが、それがホントにあっておばあちゃんに会ったら10
 0万回でも頭を下げよう。
 そして、頭を100万回ドツいてもらおう。
 でも、おばあちゃんは笑いながら「ええよええよ」って言うんだろなぁ。
 その願いは叶わんのだから せめて墓参りの時に墓石でもキレイにさせてもらおう。
 
 人間の寿命が長いのは「孫の面倒をみる為」という説があるのを聞いた。
 兄の息子達(甥)は私の母が色々と面倒を見てやっているが、そんなの当たり前みたいな顔
 をしている。
 祖父母というのは 何だか報われないと思う。
 人間は無くして気づくがもの多すぎる。
 どれだけバカで学習能力が無いのだろう?
 前述の説が正しければ孫どころか子供も居ない私は50歳くらいで終わるのだろうか?
 ま、それでもいい。
 関係無いですが、実家の隣に同級生(♀)がいまして、既におばあちゃんになっとるそうです。
 42(3)歳で・・・
 

 おばあちゃんに会って「して欲しい事」と「してあげたい事」をひとつずつ叶えられるとしたら・・・。
 あぁ・・・ やっぱりおばあちゃんの作るちまきが食べてぇなぁ。
 してあげたい事・・・ おばあちゃんは私に何を望むのだろうか?
 全く見当もつかない。
 おばあちゃんの事を何も知らない自分・・・

 おばあちゃん。


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